編集部の中村智代です。


10月13日発売『僕はサキュバスに恋をする』の作家、ほりあゆ先生へ、テキストインタビューを敢行しました。多彩かつパワー溢れる筆力の秘密に迫ります。


---------それではその模様を、ご覧ください。




ほりあゆ 本番用ファイル 低容量サイズQ.ノクターンノベルズなどで多くのご支持を得ているほりあゆさんが、
特別に書き下ろし作品を提供してくださいました。
今回の作品は、(ある意味で)王道ともいえるサキュバスものでしたが、
それを書くにあたり、どのような思いがあったのでしょうか。


A.こちらこそお誘いいただきありがとうございました。
エロ小説を書くにあたって、やはり「自分自身が興奮する」というのが絶対的に大事だと思っていますので、その「自分が興奮する」カテゴリの中から、少しでも多くの方に親しまれ易そうなものをチョイスした感じですね。
今回は「お金をいただいて購入していただく」という部分があるので、あまりにもニッチな性癖に走るのはいけないと思って。
そういう「受けは悪そうだけどぜひ書きたい!」っていう話を吐き出したいなら、それこそ無料公開のweb小説サイトでいくらでもできますし…。

ですので、分かり易い「サキュバス」という存在をヒロインにした話を書くことにしました。
私の経験上、こういう「名前を聞いただけでどんな話になるか、ある程度想像ができるモチーフ」っていうのは読者の方が読み進め易い、それこそ王道的な部分がありますので、取っつき易いかな、と思ったところから話を膨らませていきましたね。



Q.先に「王道」という言葉を使わせていただきましたが、今作に限っては必ずしも教科書通りとはいかない、個性溢れる作風にもなっていているようにも思えます。
ご自身のなかで特にこだわった部分、または苦労した箇所などはありますか。


A.先ほど書いた「名前を聞いただけでどんな話になるか、ある程度想像ができるモチーフ」っていうのを扱っておいて、それでいて「え? そういう話になるの? それってどうなるの?」と読者の方に思わせられるような話にするのが好きなんです。
例えば「サキュバス」というモチーフなら、サキュバスなのに男が苦手で処女、とか、サキュバスVS不感症の男、とかそういうのですね。
そういう作者である私自身すら先の想像がつかないような設定にして、あとはキャラ達に物語の進行を委ねる書き方をすることが多いです。

こだわっていることは「キャラが生きているように、キャラの喋らせたいように喋らせること」です。
書く時はキャラを自分の中で演じながら、それをそのまま文章にします。だから地の文もほとんど一人称視点でしか書けませんね…。

苦労した点は、上記の書き方をすることによって、物語が上手く進まないということが多々ありまして…。
書き始める前に大雑把な展開と結末は色々考えておくんですが、キャラ達が作者の思惑通りには進んでくれなくて、私自身も「え? どうなるの? お前らそんなんで大丈夫なのか?」と不安になりながら執筆してたりします。基本的にはハッピーエンドが好きなので、キャラ達を幸せにしてあげたいんですが、そのための助け舟になるネタを必死に考えている時が一番苦労します。
そしてせっかく必死に考えた打開策もキャラ達の性格上受け取ってくれないとかよくありますね…。



Q.ここからはほりあゆさんご自身に迫っていきたいと思います。
いわゆる「小説」を書き始めたのはいつ頃ですか。
また、そのきっかけの出来事などあればぜひ教えてください。


A.昔からちょこちょこ絵本っぽい短編の話とか書いていたんですが、ちゃんとした「小説」と呼べる形式で書き始めたのは今年の2月頃からです。

きっかけは大手SNSで、絵本形式の物語とか、エッセイ風の日記をよく書いて投稿していたんですが、それが色んな人に「面白い」と言ってもらえるようになって、私自身、人を楽しませられる文章を書くことがすごく楽しくなってきて、もっと広いフィールドで書きたいと思ったことですね。
それでpixivさんやノクタンーンノベルスさんに書いた話を投稿させていただいたところ、今までいただいたことの無い評価をいただけて…。

前からpixivさんでは、イラストなど投稿させていただいていたんですが、イラストより小説の方が多くの方から点数や感想をいただけたので、「あ、こっちの方が自分には向いてるんだな」と思って、今は話だけを書いています。

また、今年の初めに新卒からずっと勤めていた会社を辞めたことも、本格的に活動を始めたきっかけの一つです。



Q.では、ほりあゆさんがいち物書きとして、尊敬する作家(または思い入れのある作品)などは
いらっしゃいますか。


A.商業作家・作品では、
大槻ケンヂさんの『グミ・チョコレート・パイン』ですね。
「自分という存在」に対してこういう風に思っているのは自分だけじゃないんだと思わせてくれた、今の私を形作っている大好きな作品です。
原作小説も好きですが、何度も読み返したのは漫画版の方です。高校生の時に初めて読んだのですが、ガツンとした、鈍器で殴られたような衝撃を私に与え、いてもたってもいられない焦燥感を味わわせられたのを今でも鮮明に覚えています。
この作品を読んでから、自伝風の話が大好きになり、私自身もそういったものをSNSの日記で書くようになりました。

エロ小説を書くきっかけになったのは、
ルリーさんという方が運営しているwebサイト「サキュバスの巣」内で公開されている『サキュバスペンション』という作品を読んだのが最初のきっかけです。
いわゆる「抜き目的」のエロシーンがしょっちゅう出てくるエロ小説なのに、エロがあってこその恋愛描写を素晴らしく描いていて、とても深く物語に感情移入させられて泣いてしまいました。
正当派の純愛系アダルトゲームのような清い絡みではなく、本当にいやらしいエロ小説に感動させられたのは初めての経験で、「エロ小説でもこうやって人を感動させられるんだ…」と実感しました。その「エロを含む描写で読み手を深く物語に感情移入させる」という作風に憧れて、私自身もエロ小説を書き始めたところがあります。

その他にもノベル系の同人ゲームで、
『もんむす・くえすと!』(とろとろレジスタンス)
『ナルキッソス』(ステージなな)
もとても思い入れのある作品です。かなり影響を受けている大好きな作品ですね。



Q.最後の質問です。
ほりあゆさんが今後、チャレンジしていきたいのはどんな小説でしょうか。


A.エロ要素が上手く物語に絡んで、普段エロ小説を読まないような方にとっても楽しめるような小説を書きたいです。 



――ありがとうございます。

こちらこそありがとうございました。 





以上、特別インタビューでした。 

ほりあゆ先生への
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